南部せんべいとは
小麦粉を原料にした煎餅です。
名前の由来については諸説あるようですが、「長慶天皇創始説」では、「南北朝時代の長慶天皇が、名久井岳の麓、長谷寺を訪れた際に、家臣がそば粉と胡麻を鉄兜で焼いてお出しした食べ物」が始まりとする説があり、南部町名川地区が起源となっているようです。
南部とは江戸時代の南部氏が統治していた地域で、岩手県北部と青森県南部地方がその領域です。青森県の南側のイメージがありますが、南部氏ゆかりの地域を意味しています。青森県の西側地域は津軽藩ゆかりであるため津軽地方となります。
南部せんべいは、昔から食べられていましたが、戦後、煎餅を焼くための鋳型が八戸市の鉄工場などから大量に供給されるようになり、普及していったようです。この鋳型を用いて焼く際に、縁からはみ出た「みみ」と呼ばれる部分が生じ、いまでは、その「みみ」も商品化され人気となっています。東北新幹線盛岡開業時には、南部せんべいが紹介され、盛岡の名物の感が強くなりました。
近年、八戸のせんべい汁がグルメで人気となり、南部せんべいといえば八戸と言われるようになってきました。